宇宙利用のいま
  • 2023.07.03 Mon

課外活動は宇宙実験!中学・高校生に忘れられない探究学習を|Kirara Edu(キララ エデュ)の利用事例

この記事をシェアする

今や、日本の中学生・高校生も本物の宇宙実験に参加できる時代に!
「宇宙実験が、創薬研究に役立っていることを知り、宇宙が人々の生活の発展に欠かせない身近な存在になっていることを実感しました。」こう話すのは、2022年秋から約半年間の課外活動プログラム「宇宙理科室〜リアル宇宙で結晶づくりに挑戦!〜」に参加した都内の高校生です。

目次
宇宙を題材にした探究学習、増えています

ここ数年、注目を浴び始めた宇宙✖️STEAM教育。背景にあるのは2020年度から段階的に進められている日本の教育改革です。科学技術が劇的に進化する時代、子ども達には自ら考え行動できる力が求められます。主体的な学びのため、全国の小中高ではさまざまな「探究学習」が導入されており、実際、お子さんのいるご家庭では、学校教育の変化を感じていらっしゃることでしょう。そんな中、宇宙を題材にした探究学習プログラムが「総合的な学習機会」として注目されていること、ご存じでしょうか?

子どもたちも、本物の宇宙実験に参加できる時代

現在、国際宇宙ステーションでは地球課題を解決するための研究・実験が行われています。今や、その宇宙実験に子どもたちも参加できる時代になりました。
宇宙教育の有名どころは、JAXA宇宙教育センターのコンテンツ、他に全国の教育機関や企業が提供するメニューが存在します。とはいえ、実際に宇宙と繋がれるプログラムはそう多くありません。そんな中、2022年に始まった「宇宙理科室〜リアル宇宙で結晶づくりに挑戦!〜」は、中高生が本当に国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙実験に参加できるという、超本物志向の探究学習プログラム。宇宙好きのお子さんなら、忘れられない体験になること間違いなしです!(大人も参加したいくらい!)

中高生が宇宙へ打ち上げる実験サンプルを製作する(日本科学未来館にて)
© JAMSS
中高生がリアル宇宙で結晶づくりに挑戦!プログラムの概要

「宇宙✖️STEAM教育」と「リアル体験」をコンセプトとする「宇宙理科室」は、全国の中高生がISSを使った宇宙実験に挑戦できる、約半年間の課題活動向けプログラムです。実験テーマは、宇宙実験の代表格「創薬研究」。具体的には、宇宙でタンパク質の結晶生成に取り組みます。参加費は1チームあたり10万円(打上げ・回収だけで約900万円/kgという相場からすると信じられない低価格です)。学生3~4名でチームを組み、申し込みます。申込みから2~3週間後に地上実験キットが届き、学校の理科室で約1か月間の準備実験を行います。そして、ロケット打上げの約1か月前、全参加チームは都内の日本科学未来館に集まり、宇宙へ打ち上げる実験サンプルを製作。学生の実験サンプルは、米国のロケットでISSへ届けられ、約1か月間の宇宙実験を終えたら再び地球へ帰って来ます。果たして、結晶はできているのか?チーム毎に観察し、結果を実験レポートにまとめたら、最後の成果発表会で、再び全参加チームが集結。お互いの学びを共有し、約半年間の課外活動に幕を下ろします。

宇宙実験は細かい作業が多いが、専門家のサポートがあり安心して参加できる
© JAMSS
漫画「宇宙兄弟」が好きで参加を決めた

2022年10月に始まった「第1回 宇宙理科室〜リアル宇宙で結晶づくりに挑戦!〜」に参加したのは、都内の中高生25名、計6チーム。参加者の中には、漫画「宇宙兄弟」が好きで参加を決めたという生徒がいました。実は作中に、難病ALSの創薬研究のため、国際宇宙ステーションでタンパク質結晶生成の実験を行うシーンがあるんです。
「漫画で読んだ実験に自分が挑戦できるなんて、すごくワクワクしています」
他にも「星が好きで」「宇宙に無限の可能性を感じて」など、宇宙好きな中高生が集まり、人生初の宇宙実験に挑戦しました。そして今年6月、都内で開催された成果発表会では、緊張しながらも堂々と発表する学生の姿が。

〇発表者Aさん「今回のイベントを通して、実験を進める過程を学ぶことができた上に、実験器具を上手く扱えるようになり、実験の楽しさを感じました。」
〇発表者Bさん「実験結果というものは、大勢の人が協力し、成功も失敗もみんなで共有していくことが大切だと学びました。大勢の人のデータを積み重ねていくことで、医療の進歩に役立てられればいいなと思いました。」

リアル体験を支える宇宙実験の専門家チーム

リアル体験にこだわった「宇宙理科室」を支えるのは、宇宙実験の専門家チームです。中高生が使う実験キットは、実際に大学や研究室などで利用されている本物と同じもの。実験で困った時は、宇宙実験のスペシャリストに直接相談できます。また、教材の監修と講師は、現役の宇宙飛行士訓練インストラクター。宇宙実験の最新情報や、宇宙開発のリアルをわかりやすく解説します。宇宙業界で働く専門家と触れ合えるのも、このプログラムの魅力です。

子どもたちに忘れられない体験を

「自分の作ったものが、本物のロケットで宇宙へ行く」それだけで、子どもたちにとって忘れられない体験となるでしょう。また、宇宙実験を入り口として、実験の基礎、科学技術への造詣だけでなく「宇宙で地球課題の解決方法を考える」という、これからの時代に求められるグローバルな視点を養います。
「宇宙理科室〜リアル宇宙で結晶づくりに挑戦!〜」は2024年夏頃から第3期を開催予定です。興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

宇宙教育プログラムの導入は、参考情報が少なく、ハードルが高いイメージをお持ちかもしれませんが、実際そんなことはありません。「宇宙理科室」に限らず、無料から有料のものまで様々な教科と連動させた豊富なプログラム、手軽なコンテンツが、JAXAやNASAの他、国内外の民間企業から提供されています。今後も、数ある中からASMILLAスタッフイチオシのプログラムをご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

この宇宙利用サービスは、有人宇宙システム株式会社が提供するKirara Edu(キララ エデュ)の活用事例です。

●Source:
地上と国際宇宙ステーションで新たな試み - 宇宙 × STEAM教育 「宇宙理科室」を開催します -
「Kirara」4号機2023年3月打上げ

引用記事

この記事をシェアする