宇宙利用のいま
  • 2024.03.05 Tue

無料の中学生向け宇宙教育!国際宇宙ステーションのカメラを遠隔操作して写真撮影|NASA宇宙教育プログラム「Sally Ride EarthKAM」

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近年、STEAM教育として注目を集める宇宙教育プログラム。とはいっても、実際に宇宙で何かができるプログラムって、日本ではまだ少ないのが現状です。そこで、宇宙教育大国の米国へ目を向けてみましょう!英語のハードルはありますが、日本からでも申し込めるプログラムがあるんです。今回は、NASAが提供する「Sally Ride EarthKAM(サリー・ライド・アースカム)」をご紹介します。

目次
「Sally Ride EarthKAM(サリー・ライド・アースカム)」とは?

「Sally Ride EarthKAM」は、中学生が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されたカメラを使い、撮影地点を指定して写真撮影ができる、無料のNASA宇宙教育プログラムです。生徒たちは撮影した写真を使い、地球科学、宇宙科学、環境科学、地理、社会、数学、芸術といった様々な分野の探究活動を行うことができます。米国初の女性宇宙飛行士であるサリー・ライド氏にちなんで名づけられたこのプログラムは、米国在住者だけでなく、なんと日本を含めた世界の中学生が参加できます(日本の中学校の参加実績あり)。必要な操作はブラウザ上で完結する手軽さも魅力。数ある宇宙教育プログラムの中でも、無料で!ここまでできるものは、なかなかありません。また、指導者用の教材も充実しており、導入する学校の先生の負担も軽減されます。「Sally Ride EarthKAM」は子ども達の宇宙探査に対する好奇心を刺激し、私たちの地球に対するより深い理解を促す実践的な宇宙教育プログラムです。

国際宇宙ステーション船内の窓に設置されたNikon D2Xsデジタルカメラ。地上から遠隔操作して撮影する。
© NASA
参加登録できるのは教師や指導員など教育関係者

「Sally Ride EarthKAM」に参加登録ができるのは、教師や指導員など教育関係者の方々です。利用の流れは、おおまかに以下のステップとなります。詳細は公式ユーザーガイド(英語)をご参照ください。

Step1 Sally Ride EarthKAMに参加登録 (承認後にアカウントが発行される)
Step2 教師専用アカウントで初回登録
Step3 ミッションに参加登録
Step4 画像リクエスト“Image Request"の提出
Step5 ISSのカメラを遠隔操作し写真撮影
Step6 専用画面から写真取得


写真を撮影するカメラはISS船内の窓の前に設置され、地球の方向を向いています。カメラは広角レンズ付きのNikon D2Xsデジタルカメラ、遠隔操作にはIBM製のノートPC(Lenovo T61p)を使用します。
これまで撮影された写真は画像ギャラリーで閲覧できますので、興味のある方は一度覗いてみてください。画像検索もできますので、"Japan"と入力してあなたの住んでいる地域の写真があるか探してみてはいかがでしょうか?(2024年3月1日時点で、日本の写真は80枚登録されていました。)

希望通りの写真が撮れるかは天候次第のところもありますが、それも含めて良い経験になるでしょう。「Sally Ride EarthKAM」は、米国アラバマ州ハンツビルの宇宙ロケットセンターを拠点として運営されており、およそ年に4回のペースで撮影が行われています。

EarthKAMミッションで撮影された関東地方の写真(2022年7月撮影)© NASA
教育関係者の方へ|宇宙教育プログラムを導入してみませんか?

宇宙教育プロラグムの導入は参考情報が少なく、ハードルが高いイメージをお持ちかもしれませんが、実際そんなことはありません。「Sally Ride EarthKAM」に限らず、無料から有料のものまで様々な教科と連動させた豊富なプログラム、手軽なコンテンツがNASAやJAXAの他、国内外の民間企業からも提供されています。今後も、数ある中からASMILLAスタッフ一押しプログラムをご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

Source:(英語サイト)
SALLY RIDE EARTHKAM公式サイト
SALLY RIDE EARTHKAMユーザーガイド

引用記事

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