Media Setは、地上からISSの宇宙飛行士とリアルタイムで交信したり、宇宙飛行士が撮影録画した映像・音声を世界中の聴衆に届けたりすることができる装置です。2022年3月の運用開始以降、すでに40を超えるイベントで利用された実績があります。その理由は、なんといっても簡単に宇宙飛行士と交信できる手軽さです。

Media SetはGoProカメラ（ライブ配信：720p、3Mbps。録画：1080p）を中心に構築されており、ISSのコロンバス欧州実験棟の船内に設置されています（きぼう日本実験棟の向かい側の実験棟です）。Media Setが捉えた宇宙飛行士の映像と音声は、近くに設置されたICE Cubes Facilityと地上のICE Cubes独自の管制室を介して、汎用的なビデオ会議システム（例. Skype）や動画配信サイト（例. YouTube）に配信することができます。その会議システムを使用して、地上の利用者から宇宙飛行士へ音声が届けられる仕組みになっています。利用者は、特別なソフトウェアや通信手法を準備する必要がなく、簡単に宇宙飛行士と繋がることができる便利なサービスです。

活用の例としては、公開イベント、教育セッション、メディアインタビュー、宇宙飛行士の作業支援、実験の観察等々、様々な宇宙飛行士との交流活動などが挙げられます。さらに、AI-Boxと組み合わせれば、地上の医療スタッフによる宇宙飛行士の健康観察とともにAIによるリアルタイム診断も行える可能性を秘めています。

Media SetはISSだけでなく将来の民間宇宙ステーションや、深宇宙探査での活用も見据えており、段階的に機能を追加する予定です。あなたのアイデア次第で様々な用途で活用できるMedia Set、気になる方はぜひ一度お問合せください。

このサービスを提供する企業、スペース・アプリケーションズ・サービス社は、創業1987年、ベルギーに本社を構える、ヨーロッパ随一の実績をもつ宇宙企業です。米国ヒューストンに子会社Aerospace Applications North Americaがあり、主にヨーロッパと米国でサービスを展開しています。

企業担当者より日本の皆さんへご挨拶！
「日本やアジアのさまざまな業界の企業や組織と協力し、宇宙と非宇宙の両方の市場で新しいアプリケーションとサービスを実現することを楽しみにしています。」